【2025 佐賀 総体へ向けて】「ちゃんと走って、ちゃんと守る」 顧問・貞島先生が語る神埼清明の“勝ち方”
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いよいよ、高校生たちの熱き夏が始まる――。
各競技の頂点を懸けた高校総体が、今年も幕を開ける。これまで積み重ねてきた努力、仲間との絆、そして競技に懸ける思いを胸に、多くの選手たちが最後の舞台に挑もうとしている。
佐賀県の強豪・神埼清明高校女子ハンドボール部が、全国の舞台を目指し日々練習に取り組んでいる。そのチームの指揮をとるのは顧問・貞島早苗先生。先生が語ったチームの姿と総体への想いとは。
ーー波があるけど、その分の爆発力。
神埼清明女子ハンドボール部を指導している顧問・貞島早苗先生。現在のチームについて、こんなふうに評する。
「良い時は本当に良い。でも、突然ガクッと落ちることもある。読めないチームですね。けれど、その“波”の大きさも、このチームの面白さでもあり爆発力かなと。いわゆる、盛り上がりなど流れを変えるキーマンがあまりいない、3年生はおとなしい雰囲気の印象。なかなかこの波の大きさは課題かなと。」
しかしその分、一気に爆発するときの勢いは侮れない。
ーー守って、走って、決める——“走るハンド”の理由
神埼清明の代名詞とも言える「走るハンドボール」は、どのように生まれたのか。
「ハンドボールは点を多く取るために、攻撃回数を増やす必要があります。そのためには“速く攻める”ことが一番。相手のミスや守備から生まれるチャンスを逃さず、すぐに走って得点に繋げる。それを徹底しています」
短距離のインターバル走を意識した練習も取り入れ、試合で走り続けるための体力作りにも余念がない。
ーーキャプテン・関根梨沙の姿勢がチームの芯に
中心選手でありキャプテンでもある関根梨沙について、先生はこう語る。
「性格が良く、ニコニコですね。そして、真面目。センターバックとして攻撃の起点にもなるし、指示を出す大事な役割も担っています」
真面目であるがゆえに、時には自分を追い込みすぎる一面もあるという。しかしそのひたむきさこそが、周囲に良い影響を与えている。
「走る練習でも手を抜かない。そうやって姿勢で示してくれるのは、キャプテンとして頼もしい限りです」
ーー試合の数をこなして、成長を引き出す
目標は「県大会優勝、インターハイベスト16」。その実現に向け、チームが取り組んできたのが”経験値を積む”ことだった。
「とにかく、練習試合の数を増やしました。その中で自分たちで振り返り、次に活かす。プレッシャーの中でプレーすることの大切さ、難しさを、実感していると思います」
その積み重ねが、体力や判断力、そしてチームとしての強さにつながっている。
ーー “難しいこと”ではなく、“当たり前のこと”を
最後に、総体に向けて先生が願うのはシンプルなこと。
「守って、走って、ちゃんと点を取る。特別なことじゃなくて、“やるべきこと”をちゃんとやるチームになってほしい。強いチームは、難しいことをやっているんじゃないんです。“当たり前のことを当たり前にやる”——それができたとき、きっと結果はついてくると思います」
ーー信じて送り出す“走るチーム”
波があるからこそ、見ていて面白い。走るからこそ、体力も勝負も試される。貞島先生が語る神埼清明ハンドボール部は、まさに「挑戦のチーム」だ。鍛えた足で、確かな一歩を。総体の舞台に、成長の証を刻む。
株式会社WIDE - 永石恒陽