【2025 インターハイ前特集 新体操】「完璧な優勝」へ――神埼清明 中尾キャプテンが率いる、心で跳ぶチームの集大成

高校生たちが誇りと努力を胸に挑む、インターハイ。全国各地から選ばれた精鋭たちが、それぞれの思いを背負ってこの舞台に立つ。
頂点を目指すその歩みの中に、技術だけではない“心の成長”があった。かちスポでは、大会直前、神埼清明高校新体操部の中尾主将・松岡監督に話を聞いた。
第1弾では、主将の中尾迅選手へのインタビューを掲載する。
神埼清明 中尾迅 主将
ーーー「ミスのない演技」が支える今年のチーム力
「前の2年間は県総体でミスが出たんですけど、今年はミスがなく全員気持ちが強いなと」。
キャプテンがそう語るように、これまで積み上げた経験と団結力が、今年のチームを支えている。
ーーー選抜の悔しさを糧に「加点4.2」へ挑む
昨年の選抜大会では、新ルールへの対応に苦しみ、満足のいく演技ができず準優勝という結果。「新要素の加点が全然取れなかったんです」と振り返るキャプテン。しかし、それが大きな転機となった。加点の最大値である「4.2点」の獲得を目標に、基礎と迫力の両立を徹底して追求してきた。
ーーー「4人を信じる」ブランコ成功の鍵
注目の演技のひとつが、最高難度の「ブランコ」だ。4人が息を合わせて挑むこの技は、一人の頑張りだけでは成功しない。
「4人全員を信じることが一番大事。キャプテンである自分が焦れば、周りも不安になる。だからこそ、いつも明るい声かけで、チームにポジティブな空気を届けたい」。
キャプテンとしての自覚と責任感が、チームの屋台骨を支える。
ーーー進化した演技構成にも注目
演技の序盤「第1タンブリング」も大きな見どころ。加点を狙う上で重要な「関連性」の評価では、同時に跳ぶタイミングや構成力が問われる。「大学生レベルのクオリティ」とキャプテンは語る。目指すは“技術と美しさ”の融合だ。
── キャプテンとしての成長
「去年までは、メンバー内に今の3年生が2人だけだったんですけど、そのうちの1人はほとんど大会に出ていなかったんです。でも私は3年間ずっとチームの中心でやってきたので、自分が引っ張らなきゃなと」。チーム力、チームの雰囲気を上げることの難しさややりがいを実感し、彼も自身の成長を噛み締めている。
ーーー「2連覇のその先」へ インターハイへの誓い
最後に、キャプテンは力強く意気込みを語った。
「インターハイ2連覇というプレッシャーも少しありますが、それに負けず、自分たちの演技で完璧な優勝を果たしたい。」
目指すのはただの勝利ではない。「完璧な優勝」こそが、王者・神埼清明のプライドであり、進化の証だ。
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インターハイは8月9日(土)に、J:COMアリーナ下関にて開催される。
株式会社WIDE - 永石恒陽