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【2025 インターハイ前特集 新体操】「恩返し」と「進化」の先に。 松岡監督が語るチームへの想い

配信:
2025/8/1 6:00:00
取材:
2025/7/21 3:00:00
【2025 インターハイ前特集 新体操】「恩返し」と「進化」の先に。 松岡監督が語るチームへの想い
高校総体神埼清明高校新体操

高校生たちが誇りと努力を胸に挑む、インターハイ。全国各地から選ばれた精鋭たちが、それぞれの思いを背負ってこの舞台に立つ。
頂点を目指すその歩みの中に、技術だけではない“心の成長”があった。かちスポでは、大会直前、神埼清明高校新体操部の中尾主将・松岡監督に話を聞いた。
第2弾では、松岡監督へのインタビューを掲載する。


神埼清明 松岡寛敏 監督


神埼清明高校の強さの背景には、確かな実績と情熱をもつ松岡監督の存在がある。自身も選手時代、香川の坂出工高で三冠(全国選抜、インターハイ、国体)を達成した名将は、昨年のチームによる「三冠制覇」に、特別な想いを抱いていた。

ーーー「31年ぶり」に届いた三冠の記憶

「自身が達成した1993年以来、31年ぶりでした。しかもそれが、彼らの地元である佐賀で達成されたことが嬉しくて…」。
さらに、昨年のキャプテンは、自身が三冠を達成したときの監督の息子。小さい頃から知る存在だったという。「恩師への恩返しのようにも感じ、かなり感慨深い三冠でした」。


ーーー新ルールへの挑戦 器用なチームの底力

今年のチームは、「すごく突出した能力を持つ選手がいるというわけではない」と語る松岡監督。しかし、新ルールへの柔軟な対応力が、今のチームの大きな強みだという。
「新ルールでは、従来の“減点方式”だけでなく“加点方式”が追加され、演技の工夫がより求められるようになった。選抜では、入れれなかった新要素も、演技に取り入れました。選手たちが器用にうまく対応してくれました」。

また、国スポで三冠を経験した選手が2人、さらに県外から来ているメンバーも2人いることで、刺激し合いながら良い競争環境が生まれているという。

ーーーイップスと闘う選手へ 願うのは「乗り越える姿」

監督が「忘れられないエピソード」として語ったのは、幼い頃から育ててきた選手の苦悩だ。
「Jr.時代から教えていた子が、いま“跳べない”状態にある。イップスのような状態で、やりたいと思っても体が反応しない。昨日コーチにも刺激を受け、今日は跳べている。乗り越えてほしい」。

特に今年は、新ルールで「複合的な組運動」が必須項目として求められており、彼の復調がチームの鍵を握る。
「佐賀といえば組運動。新ルールにも対応しているから減点も防げて、見栄えもする。何より“チーム一丸”を体現できるはずです」。

ーーー新ルールと真摯に向き合った時間

選抜準優勝後から、もっとも注力してきたのが「新ルールへの最適化」。
「加点が取れる技構成にするのが自分の仕事。そこから先、演技で魅せるのは子どもたちの力。演じきってくれれば、必ず優勝争いに食い込める」。
新ルールという未知の領域に悩みながらも、それを乗り越えるためにともに歩んできた日々は、確かな成長の証でもある。


ーーー見たいのは、ガッツポーズと笑顔

インターハイに向けて、松岡監督が願うのは「勝利」だけではない。
「イップスなど苦しい場面もあるけど、それを乗り越えて、演技を終えた後にガッツポーズしてほしい。そして『良かったな』って心から声をかけてあげたいです」。選手の成長を誰よりも見守ってきた指導者だからこそ、その一瞬の喜びを心から願っている。

ーーー
インターハイは8月9日(土)に、J:COMアリーナ下関にて開催される。

記事
株式会社WIDE - 永石恒陽

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